東院長の勉強部屋
糖尿病の合併症
糖尿病は合併症の病気と言われ、多くの合併症があります。古典的な合併症は糖尿病三大合併症で、糖尿病神経障害、網膜症、腎症と言われています。
下肢先端や足底部の痺れが糖尿病未治療状態では5年以内に出現し、下肢壊疽、下肢切断の原因となります。
次に出現するのが、糖尿病網膜症で眼底に出血します。小さな出血を繰り返すと、最後には失明する方もいらっしゃいます。
15年以上の経過で尿タンパクが持続し、全身浮腫、高血圧、貧血を合併症し透析に至る腎症もあります。
三大合併症は糖尿病に特有な合併症です。
動脈硬化も糖尿病に合併しやすく心筋梗塞、脳梗塞ともに非糖尿病よりも頻度が高く同時に多数の血管が障害されています。
動脈硬化は、糖尿病になる前の境界型糖尿病の時期より起こり始めることが知られており、より早期からの対処が必要となります。
近年、医療の進歩や発展により糖尿病患者さんが更に長生きをされるようになりました。
それにより骨粗鬆症、認知症、癌など、別の問題への取り組みも必要となります。
この3つの疾患については明確な答えは出ていませんが、糖尿病患者さんが食事療法・運動療法を継続することで血糖値、血圧、脂質、体重を正常値に近づけ、さらに定期的な外来通院を続けることが健康寿命を延ばすために一番の近道だと考えられます。