禁煙外来を開始して以来、患者さんの禁煙成功率は70%以上です。
2006年4月から禁煙治療が保険適用されることになりました。
これは喫煙を単なる習慣や嗜好と考えるのではなく、ニコチン依存症という病気としてとらえ、必要な治療を行うという考え方です。
2020年4月1日より加熱式タバコを喫煙している患者についても、「禁煙治療のための標準手順書」に沿って禁煙治療を行うこととなりました。
治療は一定の条件を満たした喫煙者なら、どなたでも受けることができます。
当クリニックでは2006年8月より禁煙外来を開始して以来、患者さんの禁煙成功率は70%以上です。
禁煙によるメリット
口腔癌・咽頭癌・食道癌・膵臓癌・子宮癌・膀胱癌になるリスクが低下する
どんな治療をするの?
ニコチンパッチ・チャンピックス錠 | 治療内容 |
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治療前の問診・診療 | 禁煙治療のための条件の確認 |
初回診療 | ①診察 ②呼気一酸化炭素濃度の測定 ③禁煙の実行、継続に向けてのアドバイス ④ニコチンパッチ・チャンピックス錠の処方 |
再診1(2週間後) | |
再診2(4週間後) | |
再診3(8週間後) | |
再診4(12週間後) |
費用はいくらかかるの?
ニコチンパッチ | ||||
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3割負担 | 2割負担 | 1割負担 | ||
初回診療 | パッチ 14枚処方 |
2,640円 | 1,760円 | 880円 |
2週間後 | パッチ 14枚処方 |
2,500円 | 1,670円 | 830円 |
4週間後 | パッチ 28枚処方 |
3,860円 | 2,580円 | 1,280円 |
8週間後 | 処方なし a |
550円 | 370円 | 180円 |
12週間後 | 処方なし a |
540円 | 360円 | 180円 |
チャンピックス錠 | ||||
---|---|---|---|---|
3割負担 | 2割負担 | 1割負担 | ||
初回診療 | チャンピックス 14日分処方 |
2,630円 | 1,750円 | 880円 |
2週間後 | チャンピックス 14日分処方 |
3,070円 | 2,050円 | 1,020円 |
4週間後 | チャンピックス 28日分処方 |
5,170円 | 3,450円 | 1,720円 |
8週間後 | チャンピックス 28日分処方 |
5,170円 | 3,450円 | 1,720円 |
12週間後 | 処方なし a |
540円 | 360円 | 180円 |
(注1)
上記の料金は、ニコチンパッチ・チャンピックス錠の料金を含みます。
診察料は別途必要です。
(注2)
保険適用は禁煙外来開始から12週間です。その後1年間(開始日より)は保険適用外です。
(注3)
お薬の代金は調剤薬局での算定条件などで若干金額が異なる場合があります。
禁煙の薬ってどんな薬?
禁煙のための補助薬であるニコチンパッチ、チャンピックス錠、ニコチンガムが使えます。
この薬は、禁煙後の離脱症状をおさえ、禁煙を助けてくれます。薬を使うと禁煙の成功率が約2倍高まります。
ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)
ニコチンパッチは喫煙本数の多いヘビースモーカーに効果が高いといわれています。
タバコを吸いたくなったら貼って、寝る前にははがします。パッチを貼って5分後から効果が出てきて、タバコが欲しいという気持ちがなくなります。
※当クリニックで処方します。
毎日1枚皮膚に貼ります。皮膚からニコチンが吸収されます。
パッチのサイズは禁煙の時期に合わせて大、中、小の3種類あります。
メーカーの禁煙サポートサイト:ノバルティス『いい禁煙』
チャンピックス錠
チャンピックスは日本で初めてのニコチンを含まない12週間投与する経口禁煙補助薬です。禁煙の開始予定日を決めその1週間前から服用します。8日目に禁煙を開始します。
※当クリニックで処方します。
第1日~3日目は0.5mgを1日1回食後に経口投与、
第4日~7日目は0.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与、
第8日目以降は1mgを1日2回朝夕食後に経口投与。
メーカーの禁煙サポートサイト:ファイザー『すぐ禁煙』
禁煙の実行
ニコチン置換療法について
ニコチン置換療法は、禁煙開始時に現れるつらい離脱症状(タバコが吸いたい、イライラなど)に対して、ニコチンを喫煙以外の方法で体内に補給することにより、その不快な症状を軽減し、禁煙を成功に導く方法です。
ポイント1 | 長年にわたり広く用いられており、その効果が確認されているのがニコチン置換療法です。 |
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普及している |
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ポイント2 | 意志だけの力を頼りに禁煙するよりも禁煙成功率が2倍(※1)高まると言われています。 |
成功率が高い |
※1禁煙と健康問題に関する検討会「喫煙と健康」保健同人社2002より
ニコチネルTTSについて
ニコチネルTTSは、ニコチン置換療法により離脱症状を一時的に軽減し、禁煙を容易にすることを目的とした貼り薬です。皮膚に貼ることにより、ニコチンが体内に吸収されるように設計されています。
ただし、貼るだけで禁煙できる「魔法の薬」ではありません。ニコチネルTTSを使用している間に今までの喫煙習慣に代わる生活習慣を身につけ、禁煙生活を上手に乗り越えることが大切です。
薬剤をはがしても数時間は皮膚に残ったニコチンが体内に吸収されます。
ニコチネルTTSによる禁煙治療スケジュール
ニコチネルTTSによる禁煙治療を受ける方は、12週間に計5回通院します。各診察では、喫煙状況の問診や息に含まれる一酸化炭素の測定、離脱症状の確認や対処法などのカウンセリングや治療を受けます。このスケジュールどおり治療を進め、禁煙を続けましょう。
詳細については、医師の指示にしたがってください。
禁煙外来に関するよくある質問
Q.どんな治療法がありますか?
A.内服薬と貼り薬の2種類あります。ヒアリングを行いそれぞれの患者さんに合った方を処方いたします。
Q.内服薬と貼り薬、どちらの治療が良いのですか?
A.例えば、内服薬は眠気が出てくるため普段お仕事などで機械操作や運転操作を行う方には不向きです。また、貼り薬は皮膚に直接貼るので、皮膚の弱い方には不向きです。患者さんによってそれぞれ向き不向きがありますので、一度、医師にご相談することをおすすめいたします。
Q.副作用はありますか?
A.内服薬は吐き気や眠気、貼り薬はかぶれが多いようです。副作用で薬が続けられない時は、別の薬に変更も可能です。
Q.料金はどれくらいかかるのですか?
A.禁煙外来は保険診療が可能です。料金について詳しくは上表を参照してください。
Q.どれくらい通えば良いのですか?
A.3ヶ月で計5回の来院となっております。
Q.タバコを吸わなくなったらもう薬は内服(貼る)しなくていいのでしょうか?
A.途中で吸わなくなっても再喫煙の可能性は残ります。薬は指示通りに最後まで内服(貼る)して下さい。
Q.本当に禁煙できるのでしょうか?
A.本人の意志が一番大事ですが、当クリニックでの成功率のデータは以下のとおりです。
出典:当クリニックの平成23年1月~平成25年12月のデータ