SAP療法を開始しました
SAP療法とは(メドトロニック社HPより一部改変)
SAP(Sensor Augmented Pump)療法とは、パーソナルCGM機能を搭載したインスリンポンプ療法です。インスリンポンプとともにCGMを装着しCGMの値を常にインスリンポンプ画面に表示することが可能です。当院ではミニメド770Gシリーズを使用しています。この治療は私が熊本大学代謝内科でお世話になった初代教授・七里元亮先生が、30年以上前に既に人工膵島のclosed loop システムの総説の図でも示されていたもので、七里先生が開発されたベッドサイド型人工膵島及びブドウ糖センサーの技術が元になっていると考えられます。
SAP療法で確認できること
CGMで測定されたセンサグルコース値がリアルタイムでインスリンポンプのモニタ画面に表示されるため、あなた自身で血糖変動を随時確認することができます。(パーソナルCGM機能搭載インスリンポンプのモニタ画面イメージ)
センサグルコース値が一定の範囲を超えて上昇また低下した場合には、アラート(音やバイブでお知らせする)機能が、あなたの血糖コントロールをサポートします。
(パーソナルCGM機能搭載インスリンポンプのモニタ画面イメージ)
※アラート機能を使用することで、予期せぬ高血糖や低血糖への早期対応がしやすくなります。特に運転中やスポーツの時、会議中なども普段通りの生活を送りながら、血糖変動を把握することが可能です。
※SAP療法は、低血糖を増やすことなくHbA1cを低下させることが報告されています。
※インスリン注射に比べ低血糖に対する不安が緩和されたという報告もあります。
SAP療法の注意点
①SAP療法は保険適応の糖尿病治療ですが、1型糖尿病患者が対象です。②1型糖尿病で既にインスリンポンプ療法中の方で他人の介助を要するような重症低血糖発作を繰り返したり予測のつかない血糖変動を繰り返す場合、あるいは妊娠初期に厳格な血糖管理を要する場合などが良い適応と考えられます。