冬になると「血圧が高くなった」と感じる方が多くいらっしゃいます。
これは一時的な測定誤差ではなく、体の自然な反応として起こる現象で、特に高血圧のある方では顕著です。

血圧は、心臓が血液を送り出す力と、血管のしなやかさによって決まります(血圧BPはBP=心拍出量(CO)× 末梢血管抵抗(TPR)で規定されます)。
寒くなると体は熱を逃がさないように血管を縮めます。その結果、TPRが上昇し血圧が上昇します。
朝起きた直後や、暖かい部屋から寒い廊下・トイレに移動したときに血圧が上がりやすいのはこのためです。

また、血圧を自動的に調整する「血管圧受容体(血圧センサー)」の働きも重要です。
本来、血圧が上がるとセンサーが感知し、血管をゆるめて血圧を下げるブレーキがかかります。
しかし、高血圧が長く続いた方やご高齢の方では血管が硬くなり、このセンサーの反応が鈍くなります。
そのため、寒さなどで血圧が上がっても、十分に下げる働きができず、血圧が高い状態が続きやすくなります。
これが冬に血圧が不安定になりやすい大きな理由です。

さらに冬は、鍋物や汁物、漬物など塩分の多い食事が増えやすく、汗をかく量も減ります。
体に水分や塩分がたまりやすくなることで、循環血液量も増え心拍出量COも上昇し血圧はさらに上昇します。
寒さのため外出や運動の機会が減ることも、血圧上昇の一因です。

このように、冬の血圧上昇は「寒さ」「生活習慣の変化」「血圧を調整する力の低下」が重なって起こります。
大切なのは、冬場こそ血圧管理を意識することです。
室内の温度差を減らし、朝は慌てずゆっくり行動する、塩分を控えめにする、無理のない運動を続ける、そして家庭血圧を毎日同じ条件で測ることが重要です。

冬に血圧が高くなるのは珍しいことではありませんが、放置せず、気になる変化があれば早めにご相談ください。
当院では、季節変動も考慮した血圧管理を行っていますし、血圧手帳も患者さん用に作成しています。



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