腐敗と発酵に違いについて
雨に映える紫陽花の花が美しく咲き誇る季節となりました。
今年も、食中毒の多い時期にすでに入っています。
私は週末に豆腐サラダを作り、翌朝残りを食べようとキッチンに置いていたところ、酸っぱい臭いがしていて食べられなくなっていました。
これは明らかに腐敗の兆候であり、気温が上昇する今の時期が、まさに食中毒のリスクが高まる季節であることを実感させられました。
豆腐は水分が多く、栄養価が高いため、微生物にとって非常に増殖しやすい環境です。
特に常温に放置すると、大腸菌、乳酸菌、バチルス属などの細菌が増殖し、タンパク質を分解してアミン類や有機酸を産生し、酸味や腐敗臭を発します。
これが、いわゆる「腐敗」です。
一方で、同じように微生物が食品中の成分を分解しても、人にとって有益な変化が起こることがあります。
これを「発酵」と呼びます。
例えば、「臭豆腐」や「納豆」は、豆腐や大豆に特定の微生物(例:乳酸菌、Bacillus subtilisなど)を関与させ、風味や栄養を高めた発酵食品です。
つまり、腐敗と発酵の違いは、微生物による分解の結果が「有益か有害か」で決まります。
科学的に起こっている現象は同じであり人間の健康や味覚にとって良い変化をもたらせば「発酵」、悪い変化であれば「腐敗」とされるのです。
例えば納豆は嫌いな人にとっては腐っていると表現されますし、好んで食べる人にとっては発酵食品なのです。
その境界はどこなのかについては現在日本でも研究が行われています。
気温と湿度が高くなるこれからの季節は、特に腐敗の進行が早まるため、食品の保存方法や衛生管理には十分な注意が必要です。

こちらの画像は、OpenAIの画像生成モデルDALL・Eによって制作されたものです。