睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome・SAS)は、睡眠中に一時的に頻回に呼吸が止まることによって生じる症候群です。
主な症状には、いびき、朝の目覚めの悪さ、昼間の過度の眠気、頭痛、集中力の低下などがあります。
重症な場合、睡眠時無呼吸症候群は交感神経の活性化によって心血管疾患や他の健康問題のリスクあるいは交通事故を増加させる可能性があります。
Continuous Positive Airway Pressure(CPAP)は、睡眠時無呼吸症候群の治療に使用される一般的な治療法の一つです。
CPAPは、睡眠中の気道の閉塞を防ぐために、正常な呼吸を維持するための陽圧の空気圧を送ります。
CPAP装置は、マスクを通じて鼻または口に装着され、空気圧を持続的・自動的に供給します。この圧力は、気道の開放を助け、呼吸の停止やいびきを減らし、正常な睡眠を促します。
CPAPは個々の患者に合わせて調整され、治療効果を最大化するために正確な圧力設定やマスクの選定が必要です。
当院では令和5年5月現在、60人以上の患者さんがCPAP治療を継続されています。


フクダ電子HPの説明図より

CPAPの利点には以下のようなものがあります。

1. 呼吸改善:
CPAPは気道の閉塞を防ぎ、正常な呼吸を維持するための支援を行います。これにより、睡眠中の呼吸の停止やいびきが減少し、患者の睡眠の質が改善されます。

2. 睡眠の質の向上:
CPAPによって、睡眠時無呼吸症候群による睡眠の中断や浅い睡眠が減少し、より深い睡眠を実現することができます。これにより、昼間の眠気や疲労感が軽減されます。

3. 心血管リスクの低減:
睡眠時無呼吸症候群は低酸素や血圧上昇、不整脈誘発により心血管疾患のリスク因子となることが知られています。
CPAPの適切な使用により、心臓や血管にかかる負荷を軽減し、心血管リスクを低減することが期待されます。

4. 他の健康問題の改善:
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、糖尿病、肥満などの他の健康問題と関連しています。CPAPの使用により、これらの状態の管理や改善が期待されます。
例えば、CPAP治療は、高血圧を改善し、糖尿病の血糖値コントロールを改善することが示唆されています。

5. 交感神経活性の低減:
睡眠時無呼吸症候群は、交感神経活性の亢進を引き起こすことがあります。CPAPの使用によって、交感神経活性の低減が促され、心拍数や血圧の安定化が期待されます。

6. いびきの軽減:
CPAPは気道の開放を助けるため、いびきの軽減にも効果的です。これにより、患者とパートナーの両方がより静かな睡眠環境を享受できる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群があるのかCPAP治療の適応があるのかは、当院で外来睡眠時無呼吸モニター検査を行い決定します。
一晩検査機器を自宅で装着することで判定が可能です。
またCPAP治療は、医師の指示に基づいて正しく使用することが重要です。適切な装置の選択、マスクのフィット、圧力設定の調整などが行われるべきです。
また、CPAP治療は継続的なものであり、定期的な毎月のフォローアップと調整が必要です。
一部の患者にとって、CPAP治療が適切ではない場合、他の治療法やオプションも検討されることがあります。医師との相談を通じて、最適な治療プランを見つけることが重要です。






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