肥満・メタボを基礎とする生活習慣病患者ではインスリン抵抗性によって脂肪肝を持つ方が非常に多いことは事実です。
アルコール飲酒による脂肪肝はアルコール性脂肪肝と言いますが、お酒を飲まないのに発症する脂肪肝を非アルコール性脂肪肝疾患(以下NAFLD)と言います。
2型糖尿病の50%程度に合併する慢性肝疾患です。
アメリカの肝臓学会ガイドラインではNAFLDを以下のように定めています。

1.肝臓に脂肪がたまっている
2.目立った飲酒習慣がない
3.脂肪肝をきたす他の原因がない
4.B型・C型肝炎ではない

NAFLDでは肝臓で慢性的な炎症が起こり、さらに肝臓が硬くなる線維化という現象が起きます。
これが非アルコール性脂肪肝炎(以下NASH)です。
現在、国内には推定で1000万~2000万人のNAFLD患者がいると考えられ、そのうち100万~200万人がNASHに進展すると言われています。
放置すると10年後には約1~2割が肝硬変となり、そのうち数%に肝細胞癌が発生します。

NASHを早期に発見するためにFIB-4指数が用いられます。
これは、肝臓の線維化(硬化)の程度を非侵襲的に評価するための指標です。
FIB-4指数は、血液検査項目のAST・ALT・血小板数の数値を使用して以下の式で計算されます。

FIB-4指数 = 年齢(歳)× AST(IU/L)÷ [血小板数(10^9/L)× √ALT(IU/L)]

この値が1.30未満であれば肝臓の線維化の可能性が低く、1.30以上で肝臓の線維化の可能性あり、2.67以上で肝臓の線維化の可能性が高いとされています。
しかしFIB-4指数は、肝臓の線維化の程度を正確に評価するための最適な方法ではありません。
最終的な診断は、画像診断や肝生検などのより正確な検査によって確認しますので、当院では2.0以上で肝臓専門医に紹介するようにしています。

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